純愛♡ごっこ
高校を卒業したら家を出る。
一人暮らしがしたい。
高三になり進路を決める段階で、叔父と叔母にハッキリと告げた。
当然のように、叔父は反対をした。
「シバきたかったらシバけ!あたしは絶ッ対、出てくからな!」
断固として意志は曲げない。
そのつもりだった。
なのに‥。
「もう、二度と暴力はせん。約束や。夕凪がいなくなったら、叔母さんが寂しがるやろ?」
叔父は、泣き落としをした。
「夕凪、ほんまに約束や。大学に行って遊んだらいいから。な?二度と殴らん。」
叔母への心配も、理由の一つではあった。
ただ、虐待を受け続けていたあたしには、物事を深く考える力が乏しい。
“二度としない”
その言葉に頷いていた。