純愛♡ごっこ
 

短大生になって半年後の秋。

叔母が朝から慌ただしく動いていた。


「どっか行くの?」


「そうよ。親戚に不幸があってね。」


「あたしは?行かなくてイイ?」


「遠縁だから、夕凪ちゃんはいいわ。遠いしね。」


「そっか、いってらっしゃい。」


「夕凪ちゃん。叔母さん、帰るの明日だから、叔父さんの夕飯だけ、お願いしていい?」


「え?あ、うん。作って冷蔵庫に入れとく。夜はバイトあるもん。」


「そう、お願いね。」


キャリーケースに荷物を詰め終わった叔母は、ニッコリ笑って玄関を出た。


その日は講義が昼からだったから、叔母を見送った後、あたしはバスルームに向かった。


 
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