純愛♡ごっこ
chapter.06 ガキンチョ
 

シーツも床も、あたしが流した鼻血でシミだらけになっていた。


口の中に血の味がする。

切れた唇が、ヒリヒリと痛んだ。


シャワーを済ませたシンは、ユニットバスから姿を現し、ベッドの縁に座った。


そして


「最初から素直になってたら、俺も痛いことせんで済むんやぞ。分かるか?」


小さな子供に言い聞かせるような口調で言った。


「俺は夕凪を誰にも取られたくないねん。本気ですきやからな。」


「‥‥‥。」


「逃げようなんか思うなよ?夕凪が逃げても、俺は探し出す自信ある。それくらい大事やねんで。夕凪。」


 
< 141 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop