純愛♡ごっこ
 

自分の身長より軽く15cmは高い陸を見上げて、あたしは微笑んだ。


笑うと腫れた頬が、ズキズキと痛んだ。


「ぶっさいくやろ♪階段から落ちてん。あたし、鈍くさいから。」


誤魔化してはみたけど、陸は不審な顔をした。


「ん‥、それって殴られた痕っすよね?ユーナさん、喧嘩した?」


「まさか!あたし、ヘタレやのに喧嘩なんかしないし。」


「じゃ、殴られた?誰に?」


「ほんまに顔から落ちてんって。マジで‥。」


「ん?アヤシいナ‥。」


陸はジッと、あたしの顔を見つめた。

そして、右手で、そっと頬に触れた。


 
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