純愛♡ごっこ
十階建てのワンルームマンション。
そこに、あたしは、ひとりで住んでいる。
敷地内の駐車場で降ろして貰い、あたしはシンに、ワンボックスカーから助け出して貰った礼を言った。
「ほんまにありがとぉ。恩に着るってカンジやわ♪」
「ケイなんか人騙しそうな顔してるやんけ。もっと、オトコ見る目ぇ、養えよ。」
シンは、優しい笑みを見せた。
「うん♪そぉするわ。」
「ユーナって、いくつ?ケイとタメか?」
「ん?ハタチ。ケイの一個下。てか、シンさんは?」
「俺、23や。」
「そっか。じゃ、ありがと♪」
後ろ手に手を組んで、ペコッと頭を下げるあたしに、シンは、窓から身を乗り出すようにして言ったんだ。
「今度な、俺とデートしてや。ユーナ、俺のタイプやねん。」