純愛♡ごっこ
 

冷え切った足に、下から吹き出す温風が心地いい。


あたしは、運転しているタッキーに礼を言った。


「ほんまに、ありがと。気付いてくれて。」


「マジ、ビビったわ。真冬の夜に裸足で歩いてる女の子がおるんやもん!マッチ売りの少女か思ったで♪」


タッキーの例えが可笑しくて、あたしは自虐的に笑った。



─ マッチ売りの少女か‥



虐待され、X'masの夜に死んでしまう女の子。

最後は、大好きなおばあさんの幻覚を見て‥。


彼女の最期は、シアワセだったのかな?



「あたしも、そんなマッチが欲しいかも。シアワセなキモチになれるマッチ。」


 
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