純愛♡ごっこ
─ ホントにシンかもしれない‥
きっと、シンや‥
一旦そう思い込むと、ドアの向こうにいるのは、シン以外にはいないように感じて、不安は大きくなった。
浴室は冷え冷えとしていて、寒さと緊張で体は小刻みに震えていた。
カチャッと、玄関ドアの開く音が静かに響く。
─ お願い!
見つかりませんように!
次の瞬間、あたしの耳に聞こえたのは‥、
「あれ?タツキ先輩は?」
シンじゃない人の声だった。