純愛♡ごっこ
 

あたしがこの部屋にいる理由を、陸は訊いて来なかった。

あたしも敢えて話さなかった。



─ 家に帰ったら酷いだろな‥



その不安は消えなかったけど、みんなと一緒になってハシャいだ。


「あかん。どぉしても、あんまん食べたい!奈月、お金貸して♪あたし、イッセンピーやから。」


「イイけど、コンビニの場所分かる?あたしも一緒に行こか?心配やわ。」


「ダイジョウブ♪」


奈月に答えて、あたしは、タッキーに声を掛けた。


「タッキー、上着と靴貸して。あと帽子も。」


「ぶっラジャ♪」


タッキーは立ち上がり、衣装箪笥の扉を開けた。


 
< 183 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop