純愛♡ごっこ
あたしがこの部屋にいる理由を、陸は訊いて来なかった。
あたしも敢えて話さなかった。
─ 家に帰ったら酷いだろな‥
その不安は消えなかったけど、みんなと一緒になってハシャいだ。
「あかん。どぉしても、あんまん食べたい!奈月、お金貸して♪あたし、イッセンピーやから。」
「イイけど、コンビニの場所分かる?あたしも一緒に行こか?心配やわ。」
「ダイジョウブ♪」
奈月に答えて、あたしは、タッキーに声を掛けた。
「タッキー、上着と靴貸して。あと帽子も。」
「ぶっラジャ♪」
タッキーは立ち上がり、衣装箪笥の扉を開けた。