純愛♡ごっこ
 

星が沢山出ている夜空を、立ち止まって見上げた。


ポトリと落ちた帽子を陸が拾って、あたしの頭に乗せた。


「星、綺麗やね。月も‥。」


「ん♪ユーナ、知ってる?」


一緒に夜空を仰いで、陸が訊いた。


「なに?」


あたしは、空から目線を外し、陸を見つめた。


「地上の明かりが全部消えたら、星は、もっとイッパイ見えるって。電気の無い時代は、もっと夜空が綺麗やったんかもナ。」


夜空を見上げたまま話す陸の横顔が、とても綺麗だった。


 
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