純愛♡ごっこ
あたしは、あの夜以来、シンが気になっていた。
あの窮地から救ってくれたんやもん‥
イイ人に決まってる♪
「早く明日にならへんかな?」
エアコンからそよぐ冷たい風を感じながら、あたしはベッドに入った。
あたしには、親がいない。
小学六年生の時に、事故で死んだから‥。
一人っ子のあたしは、両親を亡くした後、父方の叔母の家に引き取られた。
その並び住んでいたのが恭介。
向かいの家にいたのがマミ。
中学も高校も同じだった。
恭介は、高校を卒業後、働き出した。
マミは、短大生になった。
あたしも短大に進学したけど、半年でヤメて家を出た。
もう、アノコも限界だって言った。
あたしも、限界だった。