純愛♡ごっこ
 

「もう怒ってない。だから、早く帰って来いよ。」


シンは最後にそう言うと、仕事中だからと電話を切った。


あたしは、ホッとするよりも、彼に悪いことをしたと思った。



シンがヤキモチ妬きなことは、百も承知なワケで‥

友達でも、恭介は異性なんだから、電話に出たりしちゃイケナかったんだ‥


トラブルの原因を作ったのは、今回もあたしだ‥



「帰ろ‥。」


コンビニの店員に近くのスーパーを教えて貰い、そこで安い靴を買った。


古びたスウェットにメンズの靴を履いた浮浪者みたいな姿で、会計を済ませるあたしを、店員は奇妙なモノでも見るような目で見ていた。


 
< 201 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop