純愛♡ごっこ
「もう怒ってない。だから、早く帰って来いよ。」
シンは最後にそう言うと、仕事中だからと電話を切った。
あたしは、ホッとするよりも、彼に悪いことをしたと思った。
シンがヤキモチ妬きなことは、百も承知なワケで‥
友達でも、恭介は異性なんだから、電話に出たりしちゃイケナかったんだ‥
トラブルの原因を作ったのは、今回もあたしだ‥
「帰ろ‥。」
コンビニの店員に近くのスーパーを教えて貰い、そこで安い靴を買った。
古びたスウェットにメンズの靴を履いた浮浪者みたいな姿で、会計を済ませるあたしを、店員は奇妙なモノでも見るような目で見ていた。