純愛♡ごっこ
 

「奈月、なにがあったか、ちゃんと話して。」


あたしは、彼女を促した。


奈月は小さく頷くと、バイト先での出来事を、涙で詰まる声で話した。



「奈月ってさぁ、フウカに無神経なんてゆーんだよぉ!信じらんないんだけどぉ!フウカ、今まで黙ってたけどぉ、奈月ってさぁ、優しいフリしてるけど、ホントは偽善者なんじゃないですかぁ?きっと、みんなの悪口も言ってると思うしぃ。それにフウカ、無言電話に悩んでてぇ、あれって、奈月の嫌がらせなんだって確信しましたぁ!だから、みんなも奈月に騙されないでねぇ!」



更衣室から漏れたフウカの声を、奈月は聞いたと言った。


「もぉ、バイト辞める‥。」


奈月は声を詰まらせて、ハンカチに顔を埋めた。


 
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