純愛♡ごっこ
店の営業時間は、午前十時から午後七時。
シンとは、あたしのマンションの駐車場で、八時に待ち合わせをしている。
「お疲れ様でした♪」
タイムカードを押し、店から出ると、あたしは、ビルの横の駐輪場に停めた自転車に乗って、ペダルをこいだ。
日が暮れた町を、軽やかに走る。
ストレートロングの茶色い髪が、楽しそうに揺れる。
それに合わせるみたく、あたしのココロも弾んでいた。
家から店まで自転車で10分だから、帰ってシャワーを浴びても、十分に支度をする時間はあったけど‥。
─ 早く、早く♪
あたしは、いつもより力を込めて自転車を走らせた。
「‥あれ?」