純愛♡ごっこ
 

店の営業時間は、午前十時から午後七時。


シンとは、あたしのマンションの駐車場で、八時に待ち合わせをしている。


「お疲れ様でした♪」


タイムカードを押し、店から出ると、あたしは、ビルの横の駐輪場に停めた自転車に乗って、ペダルをこいだ。


日が暮れた町を、軽やかに走る。


ストレートロングの茶色い髪が、楽しそうに揺れる。

それに合わせるみたく、あたしのココロも弾んでいた。


家から店まで自転車で10分だから、帰ってシャワーを浴びても、十分に支度をする時間はあったけど‥。



─ 早く、早く♪



あたしは、いつもより力を込めて自転車を走らせた。


「‥あれ?」


 
< 25 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop