純愛♡ごっこ
翌日、あたしは奈月と駅前のカフェにいた。
そして、彼女に陸へのチョコを言付けた。
「ね、ユーナ、急ぐ?まだ時間ある?」
「なんで?」
「タツキにチョコ渡すから、ついて来て!」
「えー?なんで?」
奈月は、あたしと一緒にタッキーの部屋に泊まった夜以来、何度か彼と会っている。
それに、元旦の日だって、あたしが帰った後、陸と三人で遊んでいる。
「ひとりで行けばイイやん♪」
「無理ィ!コクるねんで!」
「てか、中坊か!?」
「お願い!!アパートの前で待っててくれるだけでイイねん!五分で戻るから!」
コクったあと、盛り上がったらどぉするつもりやろ‥?
情けない顔で両手を合わせる奈月に、断り切れなかった。