純愛♡ごっこ
「もし、盛り上がったらケータイ鳴らしてな?したら、あたし、ひとりで帰るし。」
タッキーのアパートに着き、奈月に声を掛けた。
「うん♪」
奈月はニッコリ笑って、階段を上って行った。
タッキーは仕事が夜だから、19時頃まで家にいるんだ。
ケータイの時計は、17時を表示している。
「さっむ~!!」
冷え込む空気が寒がりなあたしにはツラい。
あたしは、足踏みをした。
「妊婦って、体冷やしたらあかんねんで‥。」
独り言を、声に出して呟く。
「あ‥。」
車が入って来たことに気付き、あたしは脇に移動した。
─ あの車‥