純愛♡ごっこ
 

─ うっそ‥



アパート敷地内の駐車場に入って来た車は、窓を真っ黒なスモークで覆ったワンボックスカー。


ナンバーは覚えていなかったけど、あの夏の夜、あたしが輪姦(マワ)されそうになった時の車と、同じ車種だった。



─ まさか、アイツら‥?



咄嗟に、駐車場側に背を向けた。

車のドアが開く音が聞こえ、中から人が降りて来る気配がする。



─ イヤな偶然‥

  あの車の持ち主なんかな‥?



ヒヤヒヤしながら立ち尽くしていると、女の子の声が聞こえてきた。


「ビックリィ!ここって、フウカの知り合いが住んでるんだよぉ!」



─ マジで?!



思わず振り返った。

あたしの瞳に、フウカと慧、そして、あの夜の二人の男が映った。


 
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