純愛♡ごっこ
奈月も陸からお返しを貰ったと聞いて、胸がチクッと痛んだ。
同じ物ならイヤだと思ったんだ。
─ 変なの‥
あたしって、何なん?
複雑なキモチのまま、ネックレスに視線を落とした。
「あ‥、なんか書いてる‥。」
スペードのペンダントトップには、英単語がひとつだけ。
『for』
─ なんか意味アリ‥?
奈月と別れた後も、なんだかスッキリしないまま、あたしは家に帰った。
夜、帰宅したシンは、ネックレスに気付いて不機嫌になった。
「どないしてん?それ。」
「買ってん♪千円のオモチャ。可愛い?」
あたしは、嘘をついた。
「オトコに貰ったんちゃうやろな?」
「まさか!てか、シン、ホワイトデーに何くれるの?」
シンは、ニタッと笑い掛け、外に出て行った。