純愛♡ごっこ
 

暫くして戻って来た彼は、リボンで飾られた大きな袋を、あたしに差し出した。


「ありがとぉ♪」


包みを開けると、中からテディベアが出て来た。


「めーッちゃ可愛い♪」


あたしは嬉しくて、テディベアを抱きしめた。


「俺が遊びに行って帰られへん時は、それと寝とけよ。したら、寂しくないやろ?」


「うん♪そやね。シン、優しいなっ。」


「夕凪のこと愛してるからな♪」


でも‥

あたしを、ほんまに愛してるんやったら、遊びに行かんかったらイイのに‥



本心では、そう思っていた。


相変わらず、シンは時々、帰って来なかったから。


 
< 287 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop