純愛♡ごっこ
「ちょっ、なに?」
驚いたあたしは、立ち上がろうとした。
けれど、恭介は、肩を押さえ込むように抱き寄せて‥。
そして、無理矢理kissをした。
─ サイテー!
無理強いすれば、どうにかなるとでも思っているのか、スカートの中に強引に手を入れて来る。
固く閉ざした唇を押し分け入ってくる彼の舌を、あたしは思い切り噛んだ。
そうでもしなければ、恭介の力に抗えなかった。
「痛ッ!」
彼は、咄嗟に体を離し、手の甲で口を押さえた。
「あんたらって‥。」
あたしは、泣きそうだった。
「あんたら兄弟って‥、そっくりやなっ!!」
バッグを掴み、あたしは家を飛び出した。
マミには、急用で帰るとメールした。
まだシトシトと降り続ける雨を傘で避けて
「あたしは、妊婦やっちゅーねん!」
腹立たしいキモチをぶつけるように、道端に転がっている空き缶を蹴った。