純愛♡ごっこ
 

「分かった!分かった!俺に浮気して来いゆーてんねんな?ケイとこ行って来るわ!!」


シンは、ケータイとキーを乱暴に掴んで、そのまま玄関に向かった。



─ ケイとこって?

  まさか‥



赤ちゃんの父親が婦女暴行を犯す犯罪者だなんて、絶対にイヤ。

あたしは玄関に走り、靴を履き掛けていたシンに抱きついた。


「ごめん‥。」


「今日は素直やんけ。夕凪。」



─ 素直なんかじゃない‥

  こんなん、ほんまはイヤや‥



だけど、もう、どうすればイイのか分からなくなっていた。


 
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