純愛♡ごっこ
暑い夏が過ぎ、季節は秋になった。
妊娠後期に入っても相変わらず、あたしは、日々の生活にストレスを感じていた。
シンは身勝手なままだし、慧達との付き合いもヤメない。
だけど、ストレスは胎児に良くないから‥。
あたしは、気分転換にお気に入りのCDを聞きながら、朝から南向きのベランダで洗濯物を干した。
「ちいさな部屋で♪二人の世界で~♪」
─ ん?
家の電話が鳴る音に気付き、突き出たおなかで慌てて部屋に入った。
そして、電話を受けた。
「もしもし、高原です。」
掛けて来た電話の主は、全く知らない女性だった。
「奥様でいらっしゃいますか?」
「はい‥。」
─ 誰やろ‥?