純愛♡ごっこ
「どんな意味?」
涙を拭いて、彼に訊いた。
「考えてみて♪」
陸は、優しい笑みを見せた。
「分からんし‥。」
眉をしかめるあたしの瞳に、陸の真剣な表情が映る。
少しの間を置いて、彼は口を開いた。
「別れろよ。ソイツと。」
「え?」
「なんで、そんなヤツと、いつまでも一緒にいんの?」
「だって‥。」
なんだか、急に自分が陸より年下になってしまったように感じた。
あたしは俯いた。
「“だって‥”じゃない。酷いことばっかされてんじゃん。もぉ別れろよ。」
「無理やもん‥。」
俯いたまま、あたしは答えた。