純愛♡ごっこ
 

彼は、悪戯な笑みを見せ


「あん時、ユーナの腫れた顔見てビックリして、何が言いたかったか忘れたし♪」


って、答えた。


「失礼やね。」


「そぉでもないし♪」


陸が笑って、あたしも笑顔になれた。


夕暮れの風が頬を心地よく撫でる。

少しの静寂が、あたしと陸を包んだ。


「あ、お礼言うの忘れてた。ネックレスありがとぉ。てか、遅すぎ?」


「どぉいたまして♪遅すぎやけど。」


あたしは、ゆっくり立ち上がり


「じゃ、あたし帰る。あんま遅くなるとヤバいから。」


まだベンチに座ったままの陸に、顔をしかめて見せた。


 
< 317 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop