純愛♡ごっこ
 

─ なんで?



あたしを見つめる陸の瞳は、涙で潤んでいて‥、


「リク、泣いてる?」


ベンチから立ち上がった彼は、不意に、あたしを抱き寄せた。

そして、突き出たオナカを庇うよう、そっと抱き締めた。


陸の香り。

陸の体温が優しく伝わって来る。


DOKIDOKIと、鼓動が激しく音を立て出した。


「ね‥、リク。どしたん?」


不安になるあたしに、陸は悲しい声で、囁くように言った。


 
< 318 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop