純愛♡ごっこ
 

「オレが傍にいれたら、ユーナを守ってやれたのに‥。オレが傍にいれたら‥、ユーナに悲しい思いさせずに済んだのに‥。」


「リク‥?」


「そのことが、悔しい‥。」



あたしの為に、涙を流してくれるの?


あたしの為に‥?



「ありがと‥。そのキモチだけで救われた‥。リク、ありがとぉ‥。」


暖かい腕から離れようとするあたしを、彼は、もう一度、優しく抱き締めた。


その時、気付いたんだ。


校章が刺繍された白いポロシャツの胸元に、光るチェーン。


その先に付いているのが、スペードだってことに‥。


 
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