純愛♡ごっこ
あたしのすすり泣く声に気付いて、目覚めたみたい。
シンは、眠そうな声で
「どしたん?ユーナ。」
って、訊いた。
そして、背を向けたあたしを、後ろから抱きしめた。
「なに泣いてるねん‥。」
涙が目尻を伝って、桃色のシーツに模様を描いて行く。
あたしは、彼に
「泊まるとこが必要なだけやったら、余所に行って欲しい‥。」
と、言った。
「そんなんちゃうわ‥。」
「うそ‥。」
「ほんまや。俺は、ユーナがすきやねんで。」
「じゃ、なんで‥?なんで、毎日キスだけなん?」
泣き声で切なさをぶつけるあたしに、彼は優しく囁いた。
「大切にしたいからな。」