純愛♡ごっこ
 

子宮口がなかなか開かず、夕方になっても赤ちゃんが産まれて来る気配は無かった。


マミ達みたく、立ち会い出産をしようか悩んだりもしたけど、決断出来なかった。

お産をする姿を、シンは見たくないと言っていたから。



「痛い‥。」


時間が経つごとに、オナカの痛みが増して来る。


何だか分からない点滴を打たれ


陣痛促進剤やったらイヤやな‥


なんて思いながら、チューブを流れる水滴を見ていた。



ばぶちゃん、早く可愛いお顔見せてね‥



不安と期待を胸に、もうあまり動かなくなった赤ちゃんに、あたしは何度も話し掛けた。


 
< 336 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop