純愛♡ごっこ
 

マミが言っていた通り、言葉じゃ表現出来ないくらいの痛みだったけど‥。

生まれて来た赤ちゃんの顔を見た途端、痛みは、過去のものになった。



─ ばぶちゃん

  よくガンバったね‥



あたしはココロの中で、生まれたばかりの息子に囁いた。



赤ちゃんは新生児室に運ばれ、あたしは大部屋へと移動した。


「歩ける?」


「はい。」


気遣ってくれる看護師に手を引かれながら、静かな廊下をゆっくり歩く。



─ シン、まだ来てないんや‥



彼の姿が見えないことに、あたしは不安を感じていた。


 
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