純愛♡ごっこ
 

── 大切に‥ ──



その言葉が胸に響いた。



あたしは、誰からも大切になんてされなかった。


死んだ親も、引き取られた親戚からも、付き合っていた男の子達からも。



 “大切にしたいから‥”



体の向きを変え、あたしはシンに抱きついた。


「シン‥。あたし、シンのことすき。」



─ イイよね?

  ダイジョウブだよね?



─ ‥うん



ココロの中のあたしが会話をする。


シンの背中に廻した腕に、ギュッと力を籠めた。


 
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