純愛♡ごっこ
 

「駅まで送るね。」


そう言って、マミは詩音ちゃんをベビーカーに乗せ、あたしと並んで歩いた。


空羅も詩音ちゃんも、ベビーカーに付けているオモチャで遊んでいる。

暖かい春の昼下がり、鋪道には桜が咲き乱れていた。


「シンってあほやから、ソラにヤキモチ妬くねん。イヤんなるわ。相変わらず、なんも変わってくれへんし‥。」


そんな愚痴を聞いて、マミは


「ユーナが求めすぎるんじゃない?」


と、言った。


「あーして欲しい、こーなって欲しいって思いすぎるから、シン君、負担なんかも。ユーナが先に変わる努力したら、どうかな?」


マミは、恭介のキモチを自分に向ける為の努力をして来た。

あたしは、彼女の意見に説得力を感じた。


 
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