純愛♡ごっこ
 

逆上したシンは、空羅を殴ろうとした。


「ヤメて!ソラには暴力奮わんといて!」


あたしは、それを手で庇った。

殴られた手首がジンジン痛んだ。



まだ生まれて一年も生きていない子に、どうして、こんな非道いことが出来るの?


無抵抗な幼児に、なんで?



「こんなちっちゃい子を、そんな力で殴ったら、ほんまに死んでしまうやん!あんた、それでも親か?!」


そう、シンを責めた瞬間‥、


だったと思う。


あたしは気を失っていた。


────
 ─────
────


確かに、空羅が泣き叫ぶ声で意識が戻ったのに‥。

空羅は、あたしの隣で静かに眠っていた。


そして、シンは‥、


壁に飛び散った血を、雑巾で拭いていた。


 
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