純愛♡ごっこ
chapter.14 絶望の淵
 

あたしが死んだとでも思ったんだ。

証拠隠滅するつもりなのか、シンは必死で壁を拭いている。



─ ソラ‥

  ダイジョウブなんや‥



朦朧とする意識の中で、微かに空羅の寝息を感じながら、あたしは無理矢理に体を起こした。


頭がフラフラする。

視界がボヤケて見えた。


「痛‥。」


その声に驚いたみたい。

壁を拭いていたシンは、一瞬ビクッと体を震わせ振り返った。


「‥大丈夫か?」



もう、話す気にもならない‥

あたしは、殺されかけたも同然なんだ‥


この人は‥


この人は、なんで変われないんやろ‥


 
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