純愛♡ごっこ
─ あたしの何があかんの‥?
完璧過ぎるって、なに‥?
あたしの母親と同じ。
きっと何をしても、シンは不満を抱き続けるんだ。
重苦しい空気が部屋に充満している。
息が詰まりそうだった。
「ふぇ‥え‥。」
恐ろしい思いをしたせいだ。
不意に、空羅が泣き出した。
あたしは、空羅の胸を優しく撫でた。
「ダイジョウブ‥。ソラ‥、ダイジョウブやからね‥。」
空羅は、大きくひとつ深呼吸すると、また眠りに就いた。
庇い切れていなかった。
空羅の左目の下が青く腫れていた。
── 鬼畜生‥
そんな言葉が、脳裏に浮かんで消えた。