純愛♡ごっこ
陸が玄関のドアを開けた。
同時に、シンが叫んだ。
「待てや!夕凪!俺、オマエを助けたんちゃうんか?!俺を見捨てんのか?行くなや!!」
なんで‥?
なんで、こんな非道いヤツに、後ろ髪を引かれる思いになるん?
あたしは、ドアの外に出ることを躊躇った。
─ 情‥?
そう、きっと‥
二年近くの日々を、一緒に過ごして来たシンへの情‥
「ユーナ‥、どした?」
陸が心配そうな顔をした。
「あたし‥、あたし‥。」
あたしは、混乱していた。
─ ねぇ‥
あたし、どうすればイイ?