純愛♡ごっこ
もしかしたら、今度こそ、シンは変われるかもしれない‥
今度こそ、シンは反省して、そして、シアワセな家庭を築けるかもしれない‥
揺れ動くココロを見透かすよう
「同じや。なんも変わらんし。暴力はエスカレートする。オレは、そう思う。」
静かな声で、陸は言った。
「でも‥。」
あたしが見捨てたら、シンは‥
あたしは、陸を見つめた。
「ユーナが決めたらイイ。決定権はユーナだし。ソラと、相談してみろよ‥。」
「ソラと‥?」
─ 空羅‥
ミルクの匂いをさせた小さな口を、僅かに開けて眠っている。
青く腫れている左目の下が、痛々しくて‥。
「シン‥。」
あたしは、シンに微笑んだ。
「警察には行かへん。あたしが行かんくても‥、その内、誰かが行く思うから‥。」
玄関のドアが、ゆっくりと閉まった。