純愛♡ごっこ
マンションの駐車場には、タッキーの車が停まっていた。
あたしは陸に促され、後部シートに乗り込んだ。
空羅は、腕の中で眠っている。
天使のような寝顔に、涙が零れて来た。
「先輩、出して。」
「あいよ♪」
車は、静かに朝靄の中を走り出した。
「あーゆタイプは、弱いヤツにしか偉そぉに出来ないし。自分より弱いって分かってるヤツにしか、強く出れないからナ。」
「うん‥。リク、ありがと。」
「礼には及ばん‥、なんてね♪オレ、ユーナがついて来なかったらって、不安やったし。」
陸は、あたしの髪を撫でた。
暖かい綺麗な手のひらで‥。