純愛♡ごっこ
 

「でも、良かったよな。ユーナちゃん。リクな、久しぶりにオレんち泊まっててん。なァ?!」


運転しながら話すタッキーに、陸は頷いている。


緊張が解れてきたのか、頭や体の痛みが戻って来るのを感じながら、あたしは訊いた。


「そぉなんや‥。虫の知らせとかかな?」


「ユーナ、知ってる?」


「なに?」


「惹かれ合ってる時って、スッゲェ奇跡が起きるって。偶然なんかじゃないって♪」


陸は、あたしを元気付けるみたく、声を弾ませた。


「奇跡?」


「そ♪ミラクル。オレとユーナが出逢った奇跡。今、ここにいる奇跡。全部に、ちゃんと意味があるって。」


「どんな意味?」


以前と同じ質問をするあたしに、陸は悪戯な笑みを見せ、彼のケータイを取り出した。


 
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