純愛♡ごっこ
chapter.15 馬鹿
赤ちゃんを抱っこしたまま、階段から落ちた。
救急の受付で、あたしは、そう説明した。
警察沙汰にして、これ以上シンに関わることを避けたかった。
頭を打っていることと、意識を失ったことを話し、あたしと空羅はCTを撮った。
結果は、どちらにも異常が無かった。
「待たせてごめん。病院に連れて来てくれて、ありがとぉ。」
「良かったナ、何もなくて。でも、顔、腫れて来たじゃん。」
「ん。痛み止め貰った。てか、ブッサイクなってる?」
「ダイジョブ♪ユーナは可愛いからナ。」
「ブッサイから‥。」
「ゆーと思った♪可愛いナ。」
朝の光が眩しくフロントガラスから差し込む。
車は、またゆっくりと走り出した。