純愛♡ごっこ
慌てて家を出て来たせいで、ミルクも紙オムツも持っていない。
「ソラ、目が覚めたから、オナカ空いて来たみたい。」
腕の中で、空羅が愚図り出した。
「ドラッグストア、まだ開かへんよね?」
「ん。まだ7時だし。オムツならコンビニにもあるけど、も少しやから。」
「も少し?」
「そ♪」
─ どこ行くんかな‥
さっきから知らない道を走っていることに、あたしは、少しばかり不安を感じていた。
「その信号、左やな?」
カーナビの音声を確認したタッキーが訊いた。
「ハイ。左に曲がったとこで。」
陸が答えた。