純愛♡ごっこ
 

不意に、男のケータイが鳴り出した。


「チッ、誰やねん!」


舌打ちして、あたしから手を離すと、その男は電話を受けた。


「あ、シンさん。はい、今っすか?亀岡ですわ。え?あぁオンナ、ヤるとこやったんすけどね‥。そう、ケイの‥。」


こんな犯罪行為を、まるで食事でもするかのように笑い混じりに話している。


あたしを襲った現状が、悪夢の中の出来事のように、あたしは感じていた。


「シンさん、待てゆーてるわ。」


ケータイをズボンのポケットにねじ込みながら、男が言う。



─ 助かった‥



一瞬、そう思ったけど、よく考えたら人数が増えるんだ。


あたしは、ゾッとした。


 
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