純愛♡ごっこ
「そう‥、残念ね。また、いつでも遊びにいらっしゃいね。」
「はい。でも、あと一週間は、お世話になりますから。」
「そうね。」
あたしと先生が話していると、店のドアが開いた。
「いらっしゃいませ。」
─ あ、陸くん‥
ストリート系の服で現れた彼は、髪を黒く染めたいと先生に話した。
「校則違反なんで、うるさく言われちゃって‥。」
「そう。じゃ、ユーナちゃん毛染め、お願いね。」
「はい♪」
陸の髪に、クリーム状のヘアダイを塗る。
鏡越しに目が合う度に視線を逸らす彼を、あたしは可愛いと感じていた。