純愛♡ごっこ
 

マンションの横には、小さな公園がある。

あたし達は、その公園で花火をした。


夜風が時々、髪を優しく揺らす。

パチパチと散る火花を見つめて、もう夏なんだ‥と、改めて感じた。



「リク!危ないからヤメてよぉ!」


火のついた花火を持って、公園を駆け回る陸。

その姿に、まりんさんが叫んだ。


「平気だし♪相変わらず心配性やナ、姉ちゃんは。」


消えた花火の燃え殻をバケツの水に突っ込んで、陸が笑う。


「子供じゃないねんから‥。ね、ルリちゃん。リク兄ちゃん、危ないよね‥。」


琉璃ちゃんに話し掛けるまりんさんは、とても心配そうな顔をしているのに‥。

陸は、また花火に火をつけると、子供みたいに走り出した。


 
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