純愛♡ごっこ
 

暗い空間にオレンジの光が線を描く様は、とても綺麗で‥。


見入るあたしに、


「リクね、ちっちゃい頃に、あれやって火傷してるねん。たぶん、まだ太ももに、火傷の痕があると思うよ‥。」


走ってコケた拍子に、手から離れた花火が足に当たったんだと、まりんさんは話した。


「リク。いつまでもガキじゃダメだろ。まりんが心配してんじゃん。ちょっとはオトナになれよ。」


波琉さんが陸を窘めたけど


「オレ、永遠のガキっすから♪」


陸は悪戯な笑みを見せ、また花火に火をつけた。


そんな陸に苦笑しながら、波琉さんは、あたしの横に来ると


「オレ、あんま良く分かんねーけどさ‥、自分から変わろうと思えないヤツは、周りが何を言っても変わんねーよ‥。」


穏やかな声で、そう言った。


 
< 415 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop