純愛♡ごっこ
 

動揺を悟られたくなくて、あたしは、お道化た。


「月の使者?それなら、迎えに来て欲しいかも♪」


陸は、ちょっぴりスネた表情をした。


「あかんし!てか今、オレから逃げた?」


「うん♪逃げた。」


「逃がさないっ♪」


そう言って、彼は、また、あたしの肩を抱いた。


暖かい腕と、柔らかい香り。

暖かいココロと、伝わって来る優しさ。


陸の右手に抱かれた空羅が笑っている。


「ユーナ。嫌なことばっかじゃないから‥。また、これからガンバればイイじゃん。な?」


「うん‥。」



─ あたし、ガンバれるかな‥


  空羅の為に‥



半分だけの橙色の月を、雲が覆い隠していった。


 
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