純愛♡ごっこ
夕方のコンビニは混んでいて、あたしは、五人ほど並んだ列の最後尾に着いた。
─ まだかな?
一番前の人を覗き見た時、商品のバーコードを読み取る従業員が、陸だと気付いた。
意外な場所で知っている人に出会うと、ちょっぴりワクワクしてしまう。
「リクくん♪」
レジの順番が廻って来るなり、あたしは声を掛けた。
「あ、ユーナさん。」
「ここでバイトしてるの?」
「はい。先週からだけど。家が近いんで。」
「そぉなんや♪あたしも近いよ。」
「めッちゃ奇遇っすね♪」
「うん♪」
会話しながら代金を支払って、陸に小さく手を振り、あたしはコンビニを出た。