純愛♡ごっこ
 

扉が開く音に続いて


「おはよーさん。」


と、男性の声がした。


「おはよ。上がってく?」


「いや、えーわぁ。気ィ使うやろ。それより、ルリ見せてぇな。ルリの顔見れたら、そんでえーから。」


まりんさんと陸は、異父姉弟。

玄関先で、まりんさんが話している相手は彼女の実父。


部屋を紹介してくれると、今朝、説明を受けていた。


あたしも玄関へと向かい、その人に挨拶をした。


「初めまして。星野です。」


もう《高原》の姓を名乗りたくなくて、旧姓を名乗った。


「あ、どもども、前田と言います。まっちゃんて呼んだって下さい。」


気さくな雰囲気のおじさんは、笑うと、ちょっぴり口元がまりんさんに似ていた。


 
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