純愛♡ごっこ
 

レジで何度も断ったのに、


「リクに出世払いで返してもらうから、気にすんな♪」


と、代金は波琉さんが支払ってくれた。


「住むのは明日からにしたら?」


まりんさんも気遣ってくれたけど、これ以上、二人に迷惑は掛けられない。

あたしは、そのままワンルームマンションに送って貰った。


お布団やカーテン、それから細々とした生活必需品を波琉さんに運んで貰い、あたしは、丁寧にお礼を言った。


「お世話になりました。」


「落ち着いたら、リクと一緒に遊びに来てね。」


「はい。ありがとぉございます。」


暗くなった道路から波琉さんの車が見えなくなるまで、あたしは空羅を抱いて見送った。


たった今、この瞬間から、あたしと空羅の二人だけの生活がスタートしたんだ。


 
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