純愛♡ごっこ
 

「あたし、もぉ寝よっかな♪」


これ以上、陸の声を聴いていると、自分を抑えられなくなりそうだった。


「寂しくなったら、電話でも書き込みでもして来いよ♪」


「ん♪ありがとぉ。オヤスミ、リク。」


「ハイ♪オヤスミ。」


電話を切った途端、また、怖いくらいの静寂が押し寄せて来た。


これからの生活を思うと、不安で、どうしようも無くて‥。

あたしは、声を殺して泣いた。



─ え‥?



突如、ケータイが着うたを奏で出した。

ディスプレイを見ると、陸の番号が表示されている。



─ なんで?



不思議に思いながら、だけど、小さな喜びに、また涙が込み上げて来る。

あたしは、躊躇いがちに電話を受けた。


 
< 431 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop