純愛♡ごっこ
翌日の午前中、マミに空羅を預け、タッキーと奈月に付き合って貰って、シンと暮らしたマンションに向かった。
衣料品を買い揃えるだけの余裕は無かったし、残り僅かな貯金を、これ以上減らすのがイヤだった。
「ユーナ、もし、居てたらどぉするん?」
「木曜日やもん、きっとダイジョウブ。それにタッキーもいるし♪ね?」
奈月に答えて、あたしはタッキーに微笑んだ。
「ちょッ、自慢やないけど、オレ、ケンカ弱いでっ。」
「情けないなァ‥。」
焦るタッキーに、奈月が眉をしかめる。
二人に玄関先で待っていて欲しいと頼んで、あたしは家の中に入った。
家を出て、たった三日しか経っていないのに、部屋の中は荒らされたみたいに散らかっている。
きっと、慧達を呼んだんだろう。
灰皿には、タバコの吸い殻が山のように詰まっていた。