純愛♡ごっこ
 

ケータイを閉じ、タッキーの車に乗った。


そして、

「何か言われた?」

と、心配げな奈月に、養育費を払うと言ったシンの話をした。


「シン、反省したんかな?」


「分からんけど‥。もし、そうやったら、ユーナは頼戻すの?」


「うん‥。一からやり直せるんやったら、それがソラにとっては、一番イイ方法のような気がするねん。父親いてへんとか可哀想やもん。」


あたしは、彼女に答えた。


会話を聞いていたタッキーがバックミラー越しに、チラッとあたしを見て


「ユーナちゃん、慎重にいかなあかんで。ユーナちゃんは、ソラに父親おらんのが可哀想て思うみたいやけどな、おらん方がえーような親もいてるやろ。」


と、言った。


その言葉が、あたしに残酷なくらいに過去を思い出させた。


 
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